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起動.txt
充電完了。起動指示確認。 頭脳コンピュータ――起動を確認。身体機能への処理を実行中。 視覚センサ――良好。 聴覚センサ――良好。 温度センサ――良好。 接触センサ――良好。 四肢の駆動部への接続を確認。動作、不調なし。...
ペトリ皿エタノール
2月4日読了時間: 4分
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惑溺_沈む船.txt
物置の内側、それと地続きになったわたしの内側は、冬の空気に満たされて冷えている。相変わらず埃だらけで、静かで、ゆっくりと過ぎる時間は止まったようにさえ感じる。 ――ああ、また、冬が来たのか。 未だ進展はない。何もできない、ガラクタのわたしのままだ。...
ペトリ皿エタノール
1月20日読了時間: 4分
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破損_いたいだけ.txt
転倒の痛みは音ほどではない。わたしの体の構造上よくあることで、床にぶつかって衝撃を受けても、それを特別苦であるとは思っていない。問題はそこではなくて、わたしが以前の私のような行動をとったとき――とっさに手を出して、顔やほかの部位を守ろうとしたときに起こる事故の話で。...
ペトリ皿エタノール
2024年9月23日読了時間: 3分
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悠久_理解し得ない.txt
視界の端に移るあれはわたしの、かつての腕らしい。白くて軽いプラスチックと金属の骨組みが主な材料で、肘や指先のような部品も見える。ただ、元の形が想像できないほど、ずたずたに壊されている。意図的に。何もあんな風にすることはなかったし、わたしの腕もこんなにずさんな形にしなくたって...
ペトリ皿エタノール
2024年8月15日読了時間: 3分
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永日_かつて■■■だったもの.txt
かつてわたしだったもの、だと思う。たぶん。 白い陶器の、名前は思い出せないけど、円柱形で蓋がついてる――中身はわたし、かつて私の肉体だったもの。 自分で見ることなんてできないと思っていた。死後の世界は信じてはいなかったし、そもそもこんな風体になるなんて、分からなかった。...
ペトリ皿エタノール
2024年7月29日読了時間: 3分
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